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東京都墨田区の歴史
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所在地 墨田区吾妻橋2-2-10 (妙縁寺)

 「夜寉井銘」の碑やかくいめいのひ
 『御府内寺社備考』や『葛西志』にも記されていたのが、ここ妙縁寺にあった「夜寉井」の井戸です。いつ掘られたのかはわかりませんが、人々から愛され、そのそばにこの石碑が建てられました。
 宝暦2年(1752)、儒学者井上蘭台が中国の『詩経』から多分に引用しながら詩を作り、書家滕包貫が宝暦12年(1762)に建碑しました。
 銘井寉夜
風雨如晦爰喪幼孫耿不寝念彼九原嗟茲胎禽馨聞干野薄言求之寒泉之下迨其今兮清冽且深自詒伊戚實労戒心寶暦二季六月蘭臺井上通凞撰
 
詩の意味を簡単に説明すれば、
「風雨が闇のような中で、鶴は我が子を失い、気になって眠れずにあの世を思い浮かべている。と、この泉で囁くような声を聞いた。今もこの木は清らかで、鶴同様に自らの憂いを残すように、心を和ませてくれる。」
というものです。(他にもいくつかの解釈があります)
 井戸は安政大地震でふさがりましたが、安政6年(1859)に日蓮正宗第五十一世日英上人によって再興されました。しかし、関東大震災によって再びふさがりました。
 飲料水に乏しく、水に苦労してきた本所地域において、貴重な歴史資料といえるでしょう。
 平成14年(2002)3月 墨田区教育委員会





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